今日はイラクのビジネスセミナーに参加してきました。中でも個人的に興味深いと 感じた点等を書きます。昨年度、経済成長率10%台に乗り、今年度と来年度もその水準を維持するという予測が立っています。イラクに個人的に投資したいですね!
- イラクの石油埋蔵量は世界第4位で、輸出量は現状で320万BPDだが、2020頃迄に600万BPDを目標としている。600万BPDを達成すれば収支が安定し、2035年にはGDPが現在の約5倍(7,000億ドル)に成長する見通し。但し、600万BPDを達成するには、インフラ整備が必要。中でも電力インフラの整備が急がれており、自己資金が不足している現在はファイナンス供与が必要。
- 経済成長以外に注目すべく点は人口成長。毎年100万人増加中であること。GCC諸国ではペトケミ分野に産業が偏っている為、若者の失業問題が深刻。一方、イラクでは中東諸国では珍しく農業が発達しており、多分野の産業を目指している為、同様の事が起こるとは考えない。
- 70~80年代、多数の日本企業がイラクビジネスに関与。これら実績に基づく日本ブランドに対する信頼があり、2003年以降は米国に次ぐ支援国。民間企業が進出しにくい環境下で、日本のプレゼンスを維持してきた側面も。過去のイラクにおける日本企業の活躍を見ていたイラク人は「昔の様に日本に戻ってきてほしい。」と言う。しかし、2~3年後には当該実績を知る世代が退職し、プレゼンスが相対的に低下する事を危惧する。
- 最近は毎月5~6社の日本企業が主にバスラ(南部)地域を訪問している。治安上の問題で現状では駐在員を置くことが困難である為、優秀なイラク人を雇用してビジネスを展開することを勧めている。
- 治安問題に加え、銀行が少ないこともイラク進出に対する障害となっており、イラク政府も認識している。しかし、最近状況が変わりつつあり欧米系の銀行が除々に進出を始めている。STX(韓)が受注した案件でStandard Chartered銀行のファイナンス供与に係わっている。
- クルド(北部)地域とバスラ地域はイラクの中で特に経済成長率が高く、治安が安定している。油田もこの二地域に集中している。バスラ地域にはイランに加え、インドやインドネシアの企業進出が多い。消費財は中国及び韓国産、食材はトルコやイラン産のものが中心となっている。
- 対して中部地域は宗派間や部族間の衝突が多い為、経済成長率は低く、治安が最も悪い。様にイラクは地域毎に経済成長率が異なる為、利益の分配が常に問題となっている。